PICHON オクトゴナルシリーズ
1840年頃、南仏、プロヴァンス地方のユゼスという町に窯を構えたピション。
現在は7代目当主となり、今でも南フランスらしい鮮やかな色の釉薬を
使った焼き物を得意とする窯元です。
私が出会ったピションは19世紀(恐らく1850年から1960年頃)のオクトゴナルシリーズ。
南フランスから遠く離れたパリ近郊ヴェルサイユ宮殿近くのお屋敷からの放出品。
ピションの中でも最も古いとされている刻印が有ります。
ピションのオクトゴナル自体がレアですが、中でも「緑」は特にレアな色ではないでしょうか。
濃い緑ですが、ほとんどの料理にマッチし個人的な感想では白以上に料理を盛り上げてくれると思います。
九谷焼の緑に近い美しい緑、お正月の食器としてもお使い頂けそうです。
たっぷりと掛けられた釉薬、ぽってりと厚みのある肌がチャームポイント。
もちろんすべて手作業で作られたものですので、釉薬の掛かり具合をみても
1枚として同じ表情をしているものが有りません。
ピションは土地柄、鉛を多く含んだ釉薬を使用しているため、経年変化によって
陽にかざすと七色に虹のような光を放つものが有ります。
裏面になど、釉薬の掛かっていない部分があったりします。
また「フリモノ」と呼ばれる、釜の中の浮遊物が付着し焼成され、ポツンとイボのような点が有ったりします。
全て魅力のひとつですがあらかじめご承知置き下さいませ。